東京シネマ新社の科学映像作品

東京シネマ新社は、特に顕微鏡と微速度撮影を組み合わせた科学映像を作り続けてきました。このホームページをご覧いただけば明らかな様に色々な仕事をしていますが、全ての基本は、ここにあると思っている分野です。

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最新作
 
種子の中の海 イチョウの精子と植物の生殖進化 花粉管の中で完成したイチョウの精子

最新作、種子の中の海 イチョウの精子と植物の生殖進化は2000年初春に完成を見ました。イチョウの精子の花粉管内での形成をシャープなタイムラプス撮影で記録することに成功しただけでなく、陸上の植物の進化を見る上で大切な、単細胞の緑色鞭毛藻の分裂から、多細胞の緑色藻の生殖を経てコケ・シダ植物の生殖、イチョウ・ソテツの精子形成、さらに進化した被子植物の重複受精まで、全て生きた状態での生殖の有様を記録しています。この作品がさまざまな映像祭で高い評価を受け、国内では第41回科学技術映像祭で、科学技術庁長官賞 第11回TEPIAハイテク・ビデオ・コンクール TEPIAグランプリを、国外ではスペイン、ロンダで開催された第21回UNICAJA国際科学映像ビエンナーレで最優秀学術映像賞を受賞いたしました。


 

NHK 生きもの地球紀行のために、極地研究所の低温室で撮影したアイスアルジー
 流氷の下で増殖する


東京シネマの科学映像製作は1950年代中期に始まります。代表作、ミクロの世界 結核菌を追って(1958)などの顕微鏡微速度撮影に見られる特殊撮影の技術は、絶えず世界的な注目を集めてきました。

   
マリン・フラワーズ 腔腸動物の生活圏     ムーン・ジェリー ミズクラゲのライフサイクル   生きものは動く part2 原形質流動

東京シネマ新社に改組後の初期代表作では沖縄国際海洋博覧会(1975)での3面マルチスクリーン映像マリン・フラワーズ 腔腸動物の生活圏が、接写撮影や水中撮影の技術の粋を駆使して微小な海の生物の美しい姿を大型スクリーンの上に躍動させました。以来、1970年代後半の数年間にわたる腔腸動物の生活環の記録は、ムーンジェリー ミズクラゲのライフサイクル(1977)に結実、様々な海洋生物のカメラを通じての観察から、この分野の撮影に関して高度なノウハウを蓄積しました。その蓄積の上で細胞生物学分野の映像製作に取り組み、生きものは動くシリーズの画期的な成功を見ました。



テレビ番組製作におけるビデオ技術の導入は、当然のことながら科学映像製作へも反映しました。筑波科学博みどり館映像展示における顕微鏡撮影−細胞融合以来、全ての科学映像作品はビデオ撮影によって行われております。1984年にはいち早く光学顕微鏡観察と画像処理技術を組み合わせた、Photonic Microscope Systemの紹介に取り組み、また1987年よりハイビジョン顕微鏡映像撮影に手を染め、1989年完成のHIGH DEFINITION VIDEOIMAGE OF PROTOZOAが、科学技術映画祭における初のハイビジョン作品として第31回科学技術映像祭科学技術庁長官賞に、海外では国際科学映画協会のユトレヒト大会特別名誉賞に輝きました。 



その間、小社は高画質でのビデオによる微速度(タイムラプス)撮影の模索を続けてきましたが、90年代初めに登場したビデオディスクによるタイムラプス記録システムの開発に注目しました。ソニーCRVdisc追記型光ディスクレコーダーのアプリケーション開発に協力、淡水海綿 多細胞動物の始まりを生きるは、CRVのタイムラプス機能を遺憾なく発揮させて、第37回科学技術映画祭科学技術庁長官賞・スペイン、ロンダ国際科学映像祭最優秀学術映像賞などを受賞しました。





1998.09.20. 掲載開始 2001.08.15. 最終更新


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