岡田一男の経歴

プロデューサー/ディレクター 岡田 一男(おかだ・かずお)代表取締役

 岡田一男 2015年10月


1942年(昭和17年) 創業者であるユニークな映像人、岡田桑三・多津(田鶴子)の長男として東京に生れる。両親とともに大戦末期に
     渡満、ソ連軍侵攻と略奪、居住地での国共内戦の砲火をくぐり、敗戦国民の引揚の辛酸を幼時に経験する。
     小児結核を患った子ども時代を、湘南の逗子、鎌倉で過ごし、中学・高校生活は東京で送る。
1961年 早稲田大学理工学部金属工学科に入学。7月、モスクワ国際映画祭審査員に招かれた父と共にソ連に渡る。
     モスクワの全ソ国立映画大学(VGIK/現全露国立映画大学)に入学。劇映画監督科ミハイル・ロンム教授に師事。
     早大は休学したが、復学しなかった。
     留学中、国際科学映画協会(ISFA)を通じヨーロッパの科学映画人と努めて交流を重ねる。
1966年 全必修科目修了を機に帰国、東京シネマで演出助手としてうま味と生命製作に従事。
1970年 桑三と現公益財団法人下中記念財団エンサイクロペディア・シネマトグラフィカ日本アーカイブズ(ECJA)設立に参画。
1971年 社会精神医学を扱った人間の心と社会(平常心・孤独の効用)(ISFAキエフ大会名誉賞受賞)をスイスの製薬会社サンド社を
     スポンサーとして制作、卒業製作として、ソ連国家試験委員会より芸術修士号と劇映画・TV監督資格を取得。
1973年 社の改組に伴い東京シネマ新社取締役。
1983年 桑三に代わり東京シネマ新社代表取締役社長に就任、現在に至る。
1984年 公益財団法人下中記念財団評議員・ECJA所長に就任。それぞれ現在に至る。
1994年 株式会社博物館映像学研究所代表取締役社長に就任、98年退任。
2005-2009年 国立歴史民俗博物館共同研究員・人間文化研究機構連携研究員
2007年 NPO法人科学映像館を支える会の設立に参画、副理事長。
2015年 アゼルバイジャン国立バクー・ヨーロッパ・リセー(中等教育施設)付属「国際子ども映画学校 バクー・東京・シネマ」校長に
     指名。
2021年 イザイホー全フィルム音声デジタル化のためクラウド・ファウンディング実施、データベース整備のため東京文化財研究所を
     事務局に、文化財映像研究会を設立、会長に指名。
2022年 北海道立北方民族博物館研究協力員に指名。


主要(演出・プロデュース)作品
1972年 雅楽シリーズ 6作品。多数カメラによる舞楽・管絃の記録
1975年 マリンフラワーズ腔腸動物の生活圏 海洋博3面マルチ映像、芸術祭優秀賞
1977年 ムーンジェリーミズクラゲのライフサイクル ISFAヴェネチア大会名誉賞
1978年 沖縄久高島のイザイホー
1979年 生きものは動く 微小管の機能 文部省特選・ANZAAS科学映画祭大賞
      那智の扇祭   
      楽しいどうぶつ百科TBS系子供向け動物番組
1980年 与論島の十五夜祭
1981年 石垣島川平のマユンガナシ
1982年 生きものは動く第2部 原形質流動 ANZAAS科学映画祭大賞   
      マボヤの発生生物学 ISFAイエナ大会名誉賞    
      宇和西神事 若狭に残る中世祭祀と芸能
1983年 TBS日立テレビ・シティー 北の動物日記オジロワシを追って
1984年  TV東京スーパーテレビ北の動物家族(5話連続)
1985年  LORDS OF HOKKAIDO 文部省特選ワイルドスクリーン '86審査員特別賞
1987年  レーザーディスク動物映像大百科全8巻
1989年  High Definition Video Image of Protozoa 科学技術映画祭科技庁長官賞
1991年  テレビ朝日・朝日放送社会政治社会情報番組サンデープロジェクト ソ連要人集中インタビュー
1992年  サンデープロジェクト 西シベリアの悲劇
1992年  白老村の生活など1920−30年代のアイヌ映像4作品の復元作業
1993年  NHK生きもの地球紀行 北海道の四季雑木林はタヌキの楽園だった
1994年 マリンフラワーズ(ハイビジョン試験放送版)
      NHK・ETV特集:よみがえる民族音楽カザフスタンからの報告
      NHK生きもの地球紀行 中央アジアの自然 砂漠の大河が珍獣たちを育む
1996年 淡水海綿多細胞動物の始まりを生きる ロンダ科学映像祭最優学術映像賞
1997年 日本の音風景100選 ビデオパッケージ20巻組

1998年 重要無形文化財 雅楽 宮内庁式部職楽部 ビデオパッケージ10巻組
2000年 種子の中の海 イチョウの精子と植物の生殖進化 ロンダ科学映像祭最優学術映像賞・TEPIAグランプリ
2002年 「深海3572mに生きる」で科学技術映像祭内閣総理大臣賞
2002年 NHKドキュメンタリー番組「ASIA Who's Who シルクで夢を織る」でウズベキスタンのイカット職人を取材
2003年 熊本放送「流転 追放された高麗人と日本のメロディー」のコーディネーションを引き受ける
2004年 長編ドキュメンタリー作品「ディアスポラの対話(仮題)」でカザフスタンに赴く
2006年 民俗研究映像「AINU Past and Presnt」
2012年 長編ドキュメンタリー「いって・らっしゃい」(ディアスポラの対話改題)を完成。
2013年 「いって・らっしゃい」共同監督ザーラ・イマーエワを招き、日本各地で上映会・講演会を組織
2014年 東京海洋大須之部友基准教授と共同し「Sex Change:オキナワベニハゼの社会と性転換」を完成
2019年より 歴博所蔵映像によるN.G.マンロー「Kamui Iomande」再構成に参画。
2021年 HD画像による「沖縄久高島のイザイホー」107分版完成。
2022年 「沖縄久高島のイザイホー」2022年デジタル・リメーク版110分が完成。ポレポレ東中野、那覇桜坂劇場など5館で映画館上映

その他の経歴

1982年 ISFAイエナ大会で国際科学映画協会執行委員に選出
1982年 英国バス国際野生生物映画作家シンポジウム、国際プログラム助言委員
1982年 世界自然保護基金ワイルドスクリーン国際野生動物映画祭国際審査委員
1984年 エンサイクロペディア・シネマトグラフィカ国際編集委員
1987年 第11回インド国際映画祭野生生物部門審査委員
1989年 パリ科学産業博物館国際科学視聴覚フォーラム日本の夕べコーディネーター
1990年 北海道立北方民族博物館 北方圏民族資料映像収集
1991年 日本映画テレビ技術協会機関誌掲載論文で同協会の小倉・佐伯賞受賞
1991年 エストニア・パルヌ国際映像人類学フェスティバル審査委員
1992年 下中記念財団創立30周年記念国際映像シンポジウム 
     「大きな文化は小さな文化から何を学べるか? 国際先住民族年に向けて」オーガナイザー   
1992年 カナダ・ケベック国際科学技術映画祭審査委員
1992年 ローマクラブが中心になって設立した世界学術メディア協会(WARM)副会長
1993年 滋賀県立琵琶湖博物館 世界の湖沼・水中考古学映像所在情報調査と収集
1993年 ニューズレター映像と生涯学習/博物館共同編集人
1993年 国際ワークショップ「離散朝鮮民族と多民族共生体の未来像」(カザフスタン、アルマトゥ) 組織委員
1995年 国際映像人類学学術討論会(中国、北京)で日本の映像人類学の昨日・今日・明日を報告   
1995年 モスクワ国際映像人類学セミナーで192-30年代アイヌ映像の復元を報告   
1995年 パリ発明博物館映画生誕100年記念国際シンポジウムで日本の科学映像の現状招待講演
1999年 メキシコ国立自治大学フィルムセンターの顕微鏡映画ビデオワークショップ(2週間コース)を主宰
2003年 ワルシャワとモスクワで開催の国際コーカサス学会に招待される
2003年 イラン、ケルメスで開催の第33回ロシュト(成長)国際映画祭国際審査委員 最近の顕微鏡映像について講演
2004年 モスクワ国際映像人類学フェスティバルに招待される
2007年 ウズベキスタン共和国大統領選挙国際監視員として同国カラカルパクスタン自治共和国ヌクスで活動
2008年 モスクワ国際映像人類学フェスティバルに招かれ、そのあとチェチェン共和国を訪問
2010年 ミス・アゼルバイジャンコンテスト国際審査員としてバクーを訪問
2012年 ロシア北東連邦大学の招きで、モスクワ民族会館で開催された、アレクセイ・クラコフスキー記念国際シンポジウムで
    「クラコフスキーの生きた時代と動く映像」についてロシア語で講演、そのあと東シベリア、サハ共和国を訪問
2013年 歴博映像祭 「映像民俗学の先駆者たち:渋沢敬三と宮本馨太郎」で講演2 「渋沢敬三から見る動く映像」を担当
2014年 岩波書店企画DVD-Box「映像民俗学の先駆者たち:渋沢敬三と宮本馨太郎」編集委員
2015年 イラン、テヘランで開催の第45回ロシュト(成長)国際映画祭に招かれ、20作品をレトロスペクティブ(回顧上映)。
2015年 アゼルバイジャン国立文化芸術大学映画学科においてマスタークラス講演
2018年 北大総合博物館夏季企画展示「視ることを通して」において「北大と学術映像」講演。
     日本映像民俗学の会二風谷大会コーディネーターとしてアイヌ初期映像を紹介。
2021年 歴博映像フォーラム15「映画とアイヌ文化」で、講演。  


執筆物


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