ビデオシリーズ
重要無形文化財 雅楽 宮内庁式部職楽部 第一〇巻
雅楽の装束と着装
雅楽の装束は、豪華絢爛なだけでなく、実に多種多様です。国風歌舞の装束は宮中の装束です。舞人が巻纓冠をつけているのは、往時、衛府の官人が、舞人を務めていた故事にのっとったものです。また個々の舞楽の装束は、実に様々な民族の文化や伝承に彩られています。舞人ばかりか、歌方・管方にも固有の装束があります。 本シリーズ収録全演目の装束一具の詳細と、その着装の手順を克明に記録しました。関連する舞具や舞楽面も紹介しています。
(104分)
掲載開始 2000.05.01.
最終更新 2001.07.17.
資料編の収録:
1999.05.、6月には資料編第2部の装束の着装を記録し始めようと、装束師の大槻眞一郎氏をお訪ねし、協力をお願いしました。快諾はいただけたものの、最近は各地のお祭りが土日曜日に集中します。一方、平日の楽部の日程は、完全に詰まっており、撮影はどうしても土日曜日ということになります。楽部と大槻眞一郎氏の日程を調整して、6月下旬、ようやく1日だけ撮影日が確保できました。東遊の舞人装束と、管絃演奏の際の海松装束、抜頭の舞人装束を記録し、残りは秋に収録ということになりました。こうして1999.06.19.に、第1回目の収録を行いました。
ようやく1999.12.12.第2回目の収録、太平楽の甲冑装束の着装を記録させていただきました。朝のスタートを一時間早め、午前中予想より早く着装手順の撮影を終えることができましたが、モノ撮りには時間がかかります。全アイテムを撮り終えたのは、夕方17時30分でした。仮の繋ぎを行ったら太平楽だけで30分を軽くオーバー、さてどんな構成にしたものか・・・
2000.02.19-21.久米舞舞人装束、延喜楽の右方襲装束の着装の収録と、左方蛮絵装束の袍、東遊舞人装束、海松色直垂や舞楽面など、これまで撮り漏らしていたモノ撮りを終了しました。また大槻眞一郎氏が所蔵される舞楽図巻をお借りし、芸艸堂版舞楽図とあわせて撮影させていただきました。
2000.03.-05. 撮影が終了してから直ちに編集を開始しましたが、参考資料毎に呼び名に違うものなどあって、まとめには結構苦労がありました。まとめてみたら、当初の予想の倍の長さ、104分になっていました。慣例的に楽部で使われている装束の用語の中には、統一のとれていないものがあるばかりか、宮中装束での用語にも微妙な差異があることが判りました。現在楽部で使っている用語を優先して、まとめましたが、いったん編集とナレーションの録音をして、具体的に目に見える形にしてから修正を再検討するという形を取りました。近年のノンリニアー編集だったればこそのやり方で、昔風のビデオ編集だったら、とんでもない制作費となったことでしょう。
雅楽面の素晴らしい造形には目を見はらさせられます。左上:蘇莫者 右上:蘭陵王 ご存知でしたか? 蘭陵王の頭部の小竜の裏側です。
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