久米舞くめまい
重要無形文化財 雅楽 宮内庁式部職楽部 第2巻 


建国神話に由来する古い芸能を伝える貴重な演目


 現行の「久米舞」は江戸時代に再興されたものですが、建国神話に由来する古い芸能の面影を伝える貴重な演目です。元来、天皇即位の祭儀、大嘗祭(だいじょうさい)や紀元節に奏されていましたが、戦後、紀元節の廃止に伴い一時演奏の機会を失い、元号が平成に替わり復活しました。映像による記録化は初めてです。

「東遊」と「久米舞」の二演目を完全収録することにより、国風歌舞の多彩な内容を鑑賞していただけるように工夫を凝らしました。短い音取に続き、句頭が笏拍子を打ちつつ久米歌(くめうた)を唱いはじめます。「久米歌」の歌詞は倭王権の軍事集団、久米部伝承歌謡に由来し、神武天皇の大和平定を祝した歌ともいわれています。和琴・龍笛(りゅうてき)・篳篥の演奏にあわせ、数人の付歌が加わり唱和する一方、四名の舞人が進み出て「久米舞」を舞います。和琴が響くなか、太刀を抜き一斉に敵を切り伏せる所作も見られます。

(20分)


掲載開始 1999.03.15.
最終更新 2000.04.10. 


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