抜頭ばとう
重要無形文化財 雅楽 宮内庁式部職楽部 第5巻
華麗な管絃の演奏と躍動感溢れる走舞(はしりまい)
雅楽には同一曲目でも舞と管絃の両様式を伝える曲目があります。二つの様式は同一曲でも管楽器の演奏法、拍節法等の演奏法に相違が見られます。「抜頭」は林邑楽(りんゆうがく)に属する走舞(はしりまい)の代表的演目で、舞は左方と右方の双方が伝わっています。
清少納言が枕草子に「髪ふりあげたる。まみなどはうとましけれど、楽もなほいとおもしろし」と記したように古来より広く知られていました。
管絃と舞楽の両様式を比べていただくため、管絃の演奏に続き、八多良(やたら)拍子による躍動感にみちた右方の舞を収録しました。管絃では太食調音取についで当曲が奏されます。曲の後半に打楽器のリズム型が変わる「加拍子」(くわえびょうし)の部分が分かるように工夫しています。
舞楽では龍笛の退吹(おめりぶき)による林邑乱声(らんじょう)が奏される中、面をつけ裲襠(りょうとう)装束をまとい、右手には桴(ばち)を持った舞人が登台して出手を舞います。ついで抜頭音取に続き当曲が舞われます。
(29分)
掲載開始 1999.03.15.
最終更新 2000.04.17.
wall paper courtesy of