小社では社内編集システムの改善が課題となっていましたが、このほどソニーのES7をベースとするハイブリッド編集システムを導入しました。既に15年近くベーターカムによる取材を行ってきて、その間に蓄積された映像資産を活用しつつ、デジタル化を進めていく構想の一環です。その中では経済性が無視できませんし、専門オペレーターを必要としない操作性も重要です。素材は膨大で、単純なノンリニア編集は困難です。この矛盾を、ノンリニア編集システムであるES7を編集コントローラーとして使用し、ベーターカムVTR(PVV-2800)を送出機とし、カット編集を行いながら録画機であるDVカムVTR(DSR-85)に画をため込み、適当な長さ3-40分の画像が繋がった(選んだ)ところで、DSR-85からES7のハードディスクに4倍速で転送し、ここで徹底的なノンリニア編集を行う方式で解決しました。 ここでも、画質の維持が問題になります。DVカムフォーマットはベーターカムより下位に位置するとされています。あえてそれを採用するには、周辺で細かな配慮が必要です。しかし、採用の大きな理由は、何を捨てて、何を残し確保するのかという選択の問題で
す。デジタルノンリニア編集における大きな問題は、アナログ/デジタル変換をはじめフォーマットが変わる度に、画質の劣化は免れないと言うことです。DVカムとES7は同じフォーマットを使っているので、この間での劣化は最低限に押さえられます。そこで、大部分の仕事では最終編集までこのシステムで行い、予算が潤沢にあり、最大限の良質な画質を要求される作品では、このシステムを予備編集・オフラインシステムとして使っていく方針を採りました。
ソニー ES7
ハードディスクユニット2基付属
送出機・録画機
PVV2800 ベータカムSP編集用VTR
DSR85 DVカム編集用VTR
サブ送出機
BVU900 U-マチックSP・プレーヤー
EVO9800 Hi-8レコーダー/プレーヤー
ソニー EVO9700 Hi-8ダブルデッキ編集機
試写用
BVW22 ベーターカム・ オフィスビューアー
ナショナル NV-W1 全世界対応VHSビデオ
日立 P102 PAL/SECAM VHS ビデオレコーダー
スコーテル TCR112 LTCタイムコードリーダー
キャノン RP420 カラービデオプリンター